○和気町手話言語条例
令和6年3月22日
条例第8号
前文
手話は、音声言語と異なる言語であり、手や指、体の動き及び顔の表情を使って視覚的に表現する言語である。
手話を必要とする人は、物事を考え、意思疎通を図り、お互いの気持ちを理解し合うため、また、知識を蓄え、文化を創造するための言語として、手話を大切に育んできた。
しかしながら、過去には手話が言語として認められず、手話を使用しやすい環境が整えられてこなかったことから、手話を必要とする人は、必要な情報を十分に得られず、意思疎通を図ることに多くの不便や不安を感じながら生活してきた。
こうした中、障がい者の権利に関する条約や障害者基本法において、手話は言語であることが明記された。
本町においても、手話を必要とするすべての人が、手話を使って安心して暮らすことができ、障がいの有無にかかわらず、お互いに尊重し、支え合いながら共に暮らせるまちづくりを推進することとし、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、手話が言語であるとの認識に基づき、手話に対する理解の促進及び手話の普及並びに地域における手話を使用しやすい環境の構築(以下「手話の普及等」という。)に関し、基本理念を定め、町の責務並びに町民及び事業者(以下「町民等」という。)の役割を明らかにするとともに手話に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって誰もがいつまでも安心して暮らせるまちを実現することを目的とする。
(基本理念)
第2条 手話の普及等は、手話を必要とする人が手話により意思疎通を図る権利を有することを前提に、誰もが相互に人格と個性を尊重し合いながら、心豊かに共生する地域社会を実現することを基本理念として行うものとする。
(町の責務)
第3条 町は基本理念にのっとり、町民等に対して手話の普及等を図るために必要な施策を推進するものとする。
(町民等の役割)
第4条 町民は、基本理念に対する理解を深め、町が推進する施策に協力するように努めるものとする。
2 事業者は、基本理念を尊重し、手話を必要とする人が、利用しやすいサービスの提供及び働きやすい環境の整備に努めるとともに、町が推進する施策に協力するよう努めるものとする。
(施策の推進)
第5条 町は、次に掲げる施策を総合的かつ計画的に推進するものとする。
(1) 手話の普及等に関すること。
(2) 手話による情報取得の機会の拡充に関すること。
(3) 手話による意思疎通のための支援者の確保及び資質向上に関すること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、町長が必要と認めること。
2 町は、前項の施策を推進するために必要がある場合は、手話を必要とする人及びその他関係者の意見を聴くように努めるものとする。
(緊急時及び災害時の対応)
第6条 町は、緊急時及び災害時において、手話を必要とする人が必要な情報を取得し、円滑に意思疎通を図ることができるよう努めるものとする。
(委任)
第7条 この条例に定めるもののほかに、この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この条例は、令和6年4月1日から施行する。