○和気町こどもの権利を守る条例

令和8年3月19日

条例第1号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 こどもの権利(第5条―第9条)

第3章 大人の役割(第10条―第12条)

第4章 こどもにやさしいまちづくり(第13条・第14条)

第5章 こどもの権利救済(第15条・第16条)

第6章 推進体制(第17条―第19条)

第7章 雑則(第20条)

附則

すべてのこどもは、生まれながらにして自由であり、ひとりの人間として尊重されるかけがえのない存在です。こどもは、どのような理由によっても差別されず、地域で大切に守られ、愛されながら、安心して他の人々とともに生き、夢や希望を持って成長していくことを大切にされなければなりません。私たちは、こどもの生まれながらにして持つ権利を理解し、こどもの声に耳を傾け、こどもの成長にとって最も良いことをともに考え、その成長を支援する責務があります。すべてのこどもが、和気町の豊かな自然と人々のぬくもりの中でかけがえのないこども期を過ごし、自身と他者の権利を尊重しながら心豊かに成長できることを願い、児童の権利に関する条約(平成6年条約第2号)の理念並びに和気町人権尊重のまちづくりに関する条例(平成18年和気町条例第192号)に則して、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、こどもが生まれながらにして持つひとりの人間としての基本的な権利が尊重され、また保障されるために、こどもの権利を明確にし、町や保護者、育ち学ぶ施設等の関係者、事業者及び地域住民の役割を示すことで、すべてのこどもが家庭、地域から愛され、心豊かにはぐくまれながら健やかに成長していくことができる和気町にすることを目的とします。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによります。

(1) こども 18歳になっていないすべての人と、その他これらの人と等しく権利を認めることが適当と認められる人をいいます。

(2) 大人 こどもに関わる保護者、育ち学ぶ施設等の関係者、事業者、地域住民をいいます。

(3) 保護者 親や親に代わってこどもを育てる立場にある人をいいます。

(4) 町 和気町でのこどもに関する公的な取組や施策を立案、企画する機関をいいます。

(5) 育ち学ぶ施設等 和気町内の認定こども園、小学校、中学校、高等学校、子育て支援センター、児童館、放課後児童クラブなど、こどもが育ち、学び、遊び、又は活動するために利用する施設の設置者、管理者、職員及びこどもが加入し、活動をしている団体等をいいます。

(6) 事業者 和気町内に事務所や事業所を有する個人、法人などで、事業活動を行うものをいいます。

(7) 地域住民 和気町に住んでいる人や地域のために活動を行う団体をいいます。

(基本理念)

第3条 大人は、こどもの権利を尊重し、こどもを温かく見守り、こどもとの日常的なふれあいを大切にします。

2 町は、こどもにとって最も良いことは何かを考え、こどもの権利の保障とこどもの育成にかかる環境を整えます。

3 町、保護者、育ち学ぶ施設等の関係者、事業者及び地域住民は、互いに協働してこどもの権利の保障とこどもの育成にかかる取組を行います。

(こどもの権利の普及)

第4条 町は、こどもの権利について関心及び理解を深めるため、次に掲げる取組を行うものとします。

(1) 調査・研究

(2) 学習及び研修の実施など周知・啓発

(3) 前2号に掲げるもののほか、必要な取組

第2章 こどもの権利

(この章に規定するこどもの権利)

第5条 すべてのこどもは、かけがえのないひとりの人間として尊重される権利を、生まれながらに有します。

2 この権利の保障に際しては、それぞれのこどもの年齢、発達及び置かれた状況にふさわしい配慮がなされなければなりません。

3 この権利の行使については、他者の権利又は名誉その他公共の福祉に配慮しなければなりません。

4 町は、とりわけ大切なものとして、以下の4つの権利を尊重します。

(1) 安心して生きる権利

(2) 自分らしく生きる権利

(3) 意見表明や参加する権利

(4) 支援を受ける権利

(安心して生きる権利)

第6条 大人は、こどもの健康を守り、こどもが安全にかつ安心して今を豊かに成長発達するために、次の権利を保障します。

(1) 命が守られ、尊重されること。

(2) 暴力を受けず、又は放置されないこと。

(3) どのような差別も受けないこと。

(4) 愛情と理解をもってはぐくまれること。

(5) 健康に配慮され、適切な医療が提供されること。

(6) 平和と安全な環境下で生活ができること。

(自分らしく生きる権利)

第7条 大人は、こどもをひとりの人間としてその人格を尊重し、自分らしく生きることができるように、次の権利を保障します。

(1) 遊ぶこと。

(2) 好きなことを、自分にとってふさわしいやり方で学ぶこと。

(3) 個性や他者との違いが認められ、人格が尊重されること。

(4) 自分の考えを持つこと。

(5) プライバシーが侵されないこと。

(6) 自分に関する情報が不当に収集され、又は利用されないこと。

(7) こどもであることにより、不当な取扱いを受けないこと。

(8) 安心できる場所で休み、自由な時間を持つこと。

(意見表明や参加する権利)

第8条 大人は、こどもが自分のことや社会のことについて意見を述べ、社会に参加するために、次の権利を保障します。

(1) 自己表現や意見の表明ができ、それが尊重されること。

(2) 仲間をつくり、仲間と集うこと。

(3) 社会に参画し、意見を生かされる機会があること。

(4) 社会参加に際し、必要な支援が受けられること。

(支援を受ける権利)

第9条 大人は、こどもが様々な悩みや困難に直面したとき、適切な支援を受けることができるように、次の権利を保障します。

(1) 安心して相談でき、気持ちを受け止めてもらえること。

(2) 必要に応じて適切な支援や援助を受けられること。

(3) 暴力や暴言などの被害から守られること。

(4) 課題を乗り越えるための学びや、成長の機会、支援が保障されること。

第3章 大人の役割

(家庭でのこどもの権利の保障)

第10条 保護者は、こどもの権利を守り、こどもが適切に権利を行使するために、以下のことに第一義的な責任を負い、配慮するものとします。

(1) 豊かなこども期を過ごすための生活環境の確保。

(2) こどもの年齢及び発達に応じた支援。

(3) こどもの思ったこと、感じたことに耳を傾け、対話すること。

(4) 虐待や体罰の禁止。

2 町は、不登校、障がいなど様々な状況にあるこどもと保護者が差別されず、共生できるように、適切に支援しなければなりません。

(育ち学ぶ施設等でのこどもの権利の保障)

第11条 育ち学ぶ施設の関係者は、こどもの権利を守り、こどもが適切に権利を行使するために、以下のことに配慮するものとします。

(1) 遊び又は学びを通して、豊かに生き、成長発達できるような環境の整備。

(2) 不登校、障がいなど様々な状況にあるこどもと保護者が差別されず、共生するために必要となる支援。

(3) 育ち学ぶ施設等での安全管理体制の整備。

(4) 虐待や体罰の禁止。

(5) こどもの教育又は育ちに関する情報の提供と適切な管理。

(地域でのこどもの権利の保障)

第12条 地域住民や事業者は、こどもの権利を守り、地域の中でこどもが適切に権利を行使するために、以下のことに努めなければなりません。

(1) こどもが健やかに成長できるような地域づくり。

(2) 安全かつ安心な地域環境の整備と保全。

(3) 地域で遊び学びながら、他者との豊かな関係を築くことができる居場所と機会の確保及び充実。

2 町は、前項第1号から第3号までのことを地域において行うにあたって、それを支援し、保護者や育ち学ぶ施設等と協力し合うものとします。

第4章 こどもにやさしいまちづくり

(意見表明や参加の促進)

第13条 大人は、こどもが自由に自分の意見を表明することができるように、こどもが意見を表明しやすい環境の整備に努めなければなりません。

2 大人は、年齢や発達等の理由によって、自分でうまく意思を伝えられないこどもに対して、その意思をくみ取り、必要に応じてこどもの意見を代弁するように努めなければなりません。

3 大人は、こどもに関係のあることを決めるときはこどもの意見を聞き、その意見を尊重し、こどもの最善の利益が優先されるように努めなければなりません。

4 町は、こどもが自由に意見を述べ、参加できる機会及び活動を確保するものとします。

5 町は、こどもの意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとします。

(こどもの居場所)

第14条 町は、こどもが自由に遊び活動すること、安心して人間関係をつくり合うことができる居場所について、その確保と充実を図るものとします。

2 町は、居場所の提供などの自主的な活動を行う地域住民及び関係団体との連携を図り、その活動を支援するものとします。

第5章 こどもの権利救済

(相談機関)

第15条 町は、権利の侵害を防ぐため、関係機関及び関係団体と連携を密にするとともに、権利の侵害が、こどもの心身に将来にわたる深刻な影響を及ぼすことを考慮し、だれもが安心して相談し、救済を求めることができるように、虐待や体罰等の予防に努め、権利の侵害からこどもを救済する体制を整備するものとします。

2 こどもと大人は、相談・救済機関に対して、こどもの権利の侵害について相談し、権利の侵害からの救済を求めることができます。

(こどもの権利擁護機関)

第16条 町は、こどもの権利救済に関わる事項を専門的に対応するため、こどもの権利擁護委員を設置します。

2 こどもの権利擁護委員は、こどもに関する見識を有する者等から町長が委嘱します。

3 こどもの権利擁護委員の運営、権限等については、別に定めます。

第6章 推進体制

(計画)

第17条 町は、こどもの権利を尊重しこどもが健やかに育つための基本となる施策を進めるための計画(以下「計画」という。)をつくります。

2 「計画」には、「和気町こども計画」を位置づけます。

3 町は、計画をつくるときは、こどもと大人の意見が生かされるように努めなければなりません。

4 町は、計画をつくったときは、速やかに公表します。

(評価)

第18条 町は、こどもの権利を尊重しこどもが健やかに育つための基本となる施策を有効に進めていくために、計画に沿って実施した結果について評価します。

2 町は、計画に沿って実施した結果について評価、検証するときは、子ども・子育て会議を開きます。

3 町は、計画に沿って実施した結果について評価するときは、こどもと大人の意見を聞きます。

4 町は、計画に沿って実施した結果について評価したときは、速やかにその内容を公表するとともに、必要に応じて計画の内容を改善します。

(国や県などとの協力)

第19条 町は、国や県などに協力を求めて、こどもが健やかに育つための必要な施策を推進するものとします。

第7章 雑則

(委任)

第20条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定めます。

この条例は、令和8年4月1日から施行する。

和気町こどもの権利を守る条例

令和8年3月19日 条例第1号

(令和8年4月1日施行)